アルギニンとシトルリンは男性向けサプリなどではお馴染みの成分です。

果たしてどちらの成分がより効果的なのでしょうか。

今回はこの二つの成分についてお話しします。

 

アルギニンとシトルリンとは

 

アルギニンとシトルリンはどちらも同じアミノ酸の一種です。

 

アルギニンはタンパク質を形成する20種類のアミノ酸の一つで、その中でも体内で合成される非必須アミノ酸に分類されます。

肉や魚、大豆などに豊富に含まれていますね。

 

一方シトルリンはスイカやメロンに多く含まれていて、基本的にタンパク質形成には関わっておらず血中や細胞内に蓄えられる遊離アミノ酸の一種です。

有効性が高いことから摂取が推奨されている成分でもあります。

 

さて、この二つの成分はどちらが効くのかという問題についてですが、正解は「どちらも効く」です。

もっと正確にいうと「どちらも必要」なのです。

 

というのも、アルギニンとシトルリンはどちらも体内で有毒なアンモニアを分解する尿素回路にて作用しています。

その名の通り、尿を作る大事な回路ですね。

 

この尿素回路ではシトルリンがアルギニンに変換し、アルギニンが酸化することで再びシトルリンに変わっています。

つまり、アルギニンとシトルリンは「どちらか」ではなく「どちらも」摂取する事が必要な成分というわけなのです。

 

そしてアルギニンが酸化しシトルリンに変わる際に、同時に一酸化窒素(NO)にも変換されています。

一酸化窒素(NO)とは、血管の伸縮性を高めることで血行を促進させる成分です。[参照]

 

実はこの一酸化窒素(NO)分泌の促進効果が、アルギニンとシトルリンが男性向けサプリでお馴染みとなっている理由になるのです。

 

アルギニンとシトルリンの効果

アルギニンとシトルリンによる一酸化窒素(NO)産出によってもたらされる効果について3つまとめました。

順番に見ていきましょう。

 

効果1.男性機能の改善

 

下半身はスポンジのような血管である海綿体の集まりなので、血行の促進が男性機能を改善するためには重要なポイントとなります。

そのため、血の巡りを改善する効果がある一酸化窒素は男性機能と密接に関わっているのです。

 

具体的な仕組みとしては、まず性的な刺激を受け脳の中枢神経が興奮し、その情報が下半身へと伝わります。

すると体内では一酸化窒素が分泌され、下半身の血管が緩むことで血液が海綿体に送り込まれ「立つ」のです。[参照]

 

しかし、一酸化窒素の分泌量が減少すると血管の拡張が不十分となり、必要な量の血液を海綿体に送り込めなくなります。

これが男性機能の衰えの大きな原因なのです。

その一酸化窒素を生み出すアルギニンとシトルリンは、男性機能の改善に効果的だと言えるでしょう。

 

効果2.運動パフォーマンスの向上

 

加齢とともに様々なパフォーマンスは衰えていきますが、中でも運動パフォーマンスの低下は顕著に現れますよね。

アルギニンとシトルリンには、そのような運動パフォーマンス低下を改善することが期待できます。

 

確かに中高年になれば、体の機能の衰えは仕方がないです。

しかしそういうものだと諦めて、ただ時の流れに身をまかせているのは非常にもったいないのです。簡単な事で対策や予防が出来ますからね。

 

その対策や予防の一つとして、アルギニンとシトルリンの摂取は効果的です。

一酸化窒素を生み出し血行を促進する事で、酸素などの運動に必要な物質が効率よく体内を循環できるようになります。

これによりエネルギー消費が効率的になりスタミナが向上するのです。

 

効果3.高血圧緩和やその他健康維持

 

私たちの健康にも、一酸化窒素は無くてはならない成分です。

 

年をとってくると、健康を維持することは大切ですよね。

特に、放置すれば重大な疾患を引き起こす糖尿病や高血圧などには気を付けなければなりません。

アルギニンとシトルリンによる一酸化窒素の産出は、このような生活習慣病の予防にも有効です。

 

高血圧の原因の一つとして動脈硬化が考えられていますが、その動脈硬化には一酸化窒素の減少が深く関わっています

健康な状態では正常に一酸化窒素が分泌され、これにより血管の伸縮性を高めるので血管がやわらかい状態を保てるのです。

しかし一酸化窒素が減少していると血管は硬くなり、広がりにくくなります

つまり、高血圧や動脈硬化の予防には一酸化窒素は欠かせない存在なのです。[参照]

 

同時に摂取する事による相乗効果

 

アルギニンとシトルリンはどちらか単体で摂取しても一酸化窒素の分泌は促進されます。

しかし、同時に摂取することが必要な成分であると説明しました。

これは、アルギニンだけ摂取するよりもシトルリンを摂取する方が結果的に体内のアルギニン量が増加する事がわかっているからです。

さらに、アルギニン単体で摂取した時と比べ同時に摂取する事で20%程度多く一酸化窒素が産出する事も確認されているのです。[参照]

 

一酸化窒素の元となるのはアルギニンですが、アルギニンはシトルリンが変換して作られるので、二つの同時摂取は非常に効率的なわけですね。

 

まとめ

さて、アルギニンとシトルリンは血流の改善に有効性が高い事がわかりました。

この二つ以外にも、一酸化窒素分泌に効果的なビートルートの抽出物である「サビートという成分があります。

サビートはNO3回路という尿素回路とは異なる方法で一酸化窒素を生み出すので、アルギニンとシトルリンに加えて3つ同時に摂取すると、さらに効率良く血流が改善されるのです。

 

男性機能が衰えてきている方や、血流に悩みがある方はぜひ試してみてください。