私たちの体においてなくてはならない存在である血液。
血液の流れが滞れば様々なリスクが生じます。
今回はそんな血流についてのお話しです。
血流をブーストするメリットとは
血流のブーストとは、血液をサラサラにしたり血管の伸縮性を高めたりする事で血の巡りを良くすることを言います。
血流を改善しブーストする事で考えられる主なメリットが以下の3つです。
下半身の立ちや硬さを強化する
下半身が立つには、海綿体というスポンジのような血管に血液が流れ込まなければなりません。
そのため血流が悪化すると下半身の立ちは悪くなります。
ですから血流を改善すれば当然硬さや太さ、ハリなどの「立つ力」が上がるのです。
この事から活力系や増大系のサプリの主成分は血流改善効果があるものがほとんどですね。
運動パフォーマンスの向上
血の巡りをよくする事で運動能力が向上します。
これは、運動するときに大量に必要となる酸素や栄養の運搬効率が上がるからです。
その結果スタミナが向上し、より長い時間の運動が可能となるのです。
運動するとすぐに息が切れてバテてしまうという人は、適度に体を動かし血流を改善すると良いでしょう。
年齢による衰え改善と健康維持
加齢と共に疲れが取れにくくなったり、血圧が上がったりと体は次第に衰えていきます。
しかし血流を改善する事で、疲労が回復しやすくなったり、高血圧や動脈硬化の予防にもつながるのです。
血管の伸縮性が著しく低下する事で動脈硬化になり、それが元で高血圧になってしまいます。
そして、血流が悪いと疲労物質や老廃物が蓄積されるため疲れが取れにくくなります。
つまり血の巡りをよくする事で、これらの改善や予防ができるのです。
血流をブーストするメカニズムは3種類存在
血流を良くする事のメリットは分かりました。
お次はどうすれば血流を改善できるのかについての解説です。
まず前提として知っていただきたいのは、血流改善に欠かせない成分である一酸化窒素(NO)です。
一酸化窒素とは、血管を拡張させる事で血流を促進する物質です。
そんな一酸化窒素を体内で生産するメカニズムは主に次の3種類です。
1.尿素回路
人体に有毒なアンモニアを分解する尿素回路は、その過程で一酸化窒素(NO)を産出します。
2.NO3回路
主に野菜などの食べ物からNO3という成分が摂取され消化器官を通して一酸化窒素(NO)となります。
3.内部生成
体を一酸化窒素を生産・作用しやすい状態にする事で、一酸化窒素の働きを助けます。
以上の3つのメカニズムにより一酸化窒素は生産され、血流をブーストさせるための重要なポイントとなるのです。
血流を促進する5つの成分
それではどんな成分を摂取すれば、上記のメカニズムを作用させ血流を促進する事ができるのでしょうか。
有効的な成分を5つまとめたのでそれぞれ見ていきましょう。
1.アルギニン
血流改善効果のある成分の代表的な存在であるアルギニン。
タンパク質を形成する20種類のアミノ酸の内、体内で生成される非必須アミノ酸の一つです。
肉や魚、大豆などに多く含まれている成分ですね。[参照]
アルギニンは尿素回路において、アンモニアを分解する際に重要な役割を担っている成分の一つです。[参照]
効果としては、実際の試験で筋肉発達の促進や、一酸化窒素の分泌促進による男性機能の向上も確認さてれています。
2.シトルリン
スイカやメロンに多く含まれているシトルリンは遊離アミノ酸というアミノ酸の一種で、アルギニンと同様に代表的な血流促進成分です。
この成分による血流改善に伴う男性機能改善、運動パフォーマンス向上、疲労軽減が確認されています。[参照]
実は、シトルリンとアルギニンは尿素回路にて互いに変換し合う事で一酸化窒素を分泌しています。
具体的には、シトルリンがいくつかの過程を経てアルギニンに変化し、アルギニンが酸化する事でシトルリンと一酸化窒素に変換されています。
そしてシトルリンは再びアルギニンへと変換していくのです。
アルギニン単体よりも、シトルリンとアルギニンの同時摂取の方が20%程度多く一酸化窒素が分泌される事が分かっているため、サプリメントなどでは、両方配合されている事が多いですね。
実験では、シトルリンをトレーニングの直前に摂取させると52%がより重い負荷に耐えたという結果が出ています。
さらに、筋肉を動かすためのエネルギーであるATPの量が平均34%増えたという報告もあります。
そのほかには、高血圧や動脈硬化を改善する効果も確認されていますね。[参照]
シトルリンがスーパーアミノ酸とも呼ばれていることにも納得です。
3.クラチャイダム
クラチャイダムは、タイが原産のショウガ科の植物です。
黒ショウガやブラックジンジャーと呼ばれることもあるこの植物の成分は、男性向けのサプリメントとして販売されていることが多いです。
栄養がマカと比べて豊富である事から注目されていますね。
主な成分としてはアルギニンや免疫力を高める11種類のフラボノイドなどが挙げられます。[参照]
アルギニンが血行促進に効果的なのは、上記で述べた通りです。
加えて一酸化窒素による血管拡張や血流促進を抑制するPDE5の働きを阻害する効果が確認されています。
つまり、一酸化窒素がより血行を促進しやすくなるようにサポートするのです。
この仕組みはバイアグラと同じですが、医薬品であるバイアグラと違って即効性はないものの副作用の心配がありません。
そして、150mgのクラチャイダムの継続的に摂取させた実験で、50%も血行が改善された事が確認されています。
4.サビート(ビートルート)
サビートとは、赤カブのようなヒユ科の植物であるビートルートの抽出物の事です。
ビートルートはピクルスやボルシチなど身近な料理に使われる食材でもあります。
そんなビートルートの栄養素を効率的に摂取するために開発された成分がサビートなのです。
無機硝酸塩のNO3を高濃度の2%以上含んでいて、NO3回路で一酸化窒素を産出します。
2日間健康な若い被験者に摂取させ体力テストを行う実験では、摂取していない被験者と比べ運動中の酸素消費量が少ない事が確認されています。
世界規模の医療メディアである「HealthLine」の発表では、継続的にビートルートの抽出物を摂取する事で、血流悪化が原因のED改善効果が期待出来るとありますね。[参照]
5.S7
S7は、FutureCeuticals社が2018年に開発し、特殊を取得している原料です。
S7の正式名称はSPECTRA7で、
・グリーンティーエキス
・グリーンコーヒー豆エキス
・ウコンエキス
・ブロッコリー
・ケール
・タートチェリー
の植物由来の7つの成分で構成されています。[参照]
近年注目の成分ですが、その理由として極端に少ない1日の推奨摂取量が挙げられます。
一日あたりの推奨量はたったの50mgで、これはシトルリンやアルギニンに比べると10分の1以下になるのです。
それで同等以上の効果が期待できるとなると、特許を取得しているのもうなずけますね。
S7は強い抗酸化により体内を一酸化窒素が産出されやすい状態にする事で、分泌を促進する成分です。
これは今までになかった革新的な血行促進の仕組みなのです。
実際の臨床試験ではプラセボ群と比較し体内の一酸化窒素の量が摂取後3時間で230%も増加したという結果も出ていますね。
その他の実験では、被験者の酸素消費量が約60%も軽減した事や、50mg摂取させたところ血糖値を抑制した事が実際に確認されています。
まとめ
血流改善に効果的な成分は3種類のメカニズムで作用している事が分かりました。
この3種類のメカニズムを同時に行えば、より効率的に血流をブーストする事ができます。
例えば尿素回路のアルギニンとシトルリン、NO3回路のサビート、体内生成のS7を同時に摂取すればそれぞれ異なるアプローチで血行を促進するので非常に効果的なのです。