海外製と国産製、あなたはどちらのサプリメントを選びますか?

昨今ではインターネットの普及により海外製のサプリメントを簡単に手に入れられるようになりました。

今回は、そんな海外製のサプリメントについてのお話です。

海外男性向けサプリへの過剰な期待

よく海外のサプリメントの方が日本のサプリメントよりも進んでいるという声を耳にします。

特にアメリカでは医療費が高額になるため、健康に対する意識が強く成人の半数以上がサプリメントを利用しています。

この事からも、アメリカ製のサプリは優れていると考える人も少なくないでしょう。

 

実際に海外製のサプリに興味を抱く人たちは強い効果を求めている傾向があり、

「副作用もありそうだけど効果も強そう。」

「日本のサプリより成分がたくさん入っているから期待できる。」

「日本のサプリは有効成分の含有量が少ないなと感じる。」

などの意見を見ることもあります。

しかしその実態は質の悪い物も多く、酷いものでは薬の成分が混入していて強い副作用により死亡した事例も複数件あるのです。

 

本記事では、そのような被害に合わないために必要な知識をご紹介します。

海外と国産サプリの違いと注意点5つ

なぜ海外製のサプリメントには、健康に害が出るような危険性があるのでしょうか。

その背景には、海外製と国産製のサプリメントに明確な違いがあることが考えられます。

海外製のサプリメントの注意点を国産の物と比較しつつ5つまとめてみました。

1.日本と海外の薬機法の違い

まず大きな違いとして、薬機法が挙げられます。

薬機法とは、医薬品や医薬部外品、健康食品などを取り扱う際の法律です。

薬機法が違うということは、「薬」の概念が異なるということ。

つまり、海外では食品扱いの成分が日本ではリスクの高い医薬品に指定されているケースも発生するのです。

 

トリビュラスは、海外では男性向けサプリメントに多く含まれています。

しかし神経系、筋肉、肝臓及び腎臓への影響が報告されているため日本では医薬品指定されている成分です。

また、アシュワガンダも日本と海外で取扱が異なる代表的な植物です。

アシュワガンダの主要成分であるウィザフェリンAが、副作用の可能性がある成分として医薬品に指定されています。

これらは海外では疲労回復や性機能の改善目的のサプリとして販売されています。

 

このようなサプリメントが必ずしも健康被害をもたらすわけではありませんが、安全面には懸念が残るため注意が必要です。

日本のサプリについては薬機法により厳しく成分が規制されているため、副作用の危険性が考えられる成分は医薬品以外に配合できないようになっています。

ですから比較的安全である事は間違いありません。

2.配合量や推奨量が国によって異なる

成分にはそれぞれ、推奨されている摂取量があります。

これは各国の人の体格、体質に合わせた量を推奨しているため、国ごとに推奨摂取量が異なってきます

つまり、海外で作られたサプリに配合されている成分の量はその国の人にあった量に設定されているため、日本人には多すぎる場合があるのです。

 

iherbという通信販売サイトには、日本における推奨摂取量に対してサプリの成分がどれだけの割合で含まれているかが記載されています。

オプティメンというサプリを例に見ていきましょう。

 

 

Thiamin(ビタミンB1)、Riboflavin(ビタミンB2)、Vitamin B12(ビタミンB12)などは特に多いですね。

これらのビタミンは過剰摂取による副作用はほとんどなく比較的安全な成分ですが、かなり大量に入っている事がわかります。

 

次に注目して頂きたいのは、Zinc(亜鉛)です。

亜鉛は過剰な摂取で、吐き気、腹痛や下痢、頭痛やだるさを感じるなどの副作用が出る可能性があります。

そのため、日本において亜鉛の1日の推奨摂取量は11mgとなっていますが、オプティメンには15mg含まれています。

多すぎるというわけではありませんが、やはり日本人の体質に合わせて作られてはいない事が窺えます。

3.製造環境や規準が大きく異なる

冒頭でも触れましたが、海外のヘルスケア は日本より進んでいるイメージを持つ方は少なくありません。

最新の研究から成分を配合して、より有効的なものが作られていると思うのもわかります。

ですが実は、信じられないほど悪質な環境で製造されている場合もあり、不純物が混入していた物もいくつも発見されているのです。

 

カリフォルニア州公衆衛生局の研究チームの調査において776の製品が無許可で医薬品の成分が使用されていたことが確認されています

そして,その医薬品成分の97.6%はサプリメントの容器のラベルに記載されていなかったそうです。

さらに353の製品が精力剤として販売されているサプリで、その内数以上がED治療薬の主成分となるシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルが含まれていました。

このように、海外製のサプリには医師からの処方が必要な成分がサプリメントに含まれている可能性があるのです。[参照]

 

しかし日本では、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準である「GMP」に認定されている工場で製造されているサプリは多いです。

なので比較的安心してサプリを飲む事ができますね。

4.利用者の感想や評価が確認できない

何か商品を購入する際にはどうしても調べてしまうのが口コミという物。

しかし商品が海外製品の場合、当然英語が読めない限り評価は確認できないですよね。

さらには、海外の製品を日本用に商品名などを変更している場合、英語でも日本語でも口コミが見つからないという事態にもなります。

ただでさえ不確かな部分が多い海外のサプリメントですが、利用者の評価すら把握できないものがほとんどです。

 

一方で国内製であれば正確な情報を得られやすく、また利用者の実際の口コミや評価が確認しやすいため判断材料は多いです。

なので、安全性の高いサプリは国産の物の方が入手しやすいですね。

5.個人輸入品の不透明性

最近はネットショッピングの発達により個人輸入が盛んに行われ、誰でも簡単に海外製品を転売できる状況となっています。

このため、品質に問題がある製品が当たり前のように売買されているのです。

 

例えば近年世界中で、偽造のバイアグラというものが流通しています。

偽造バイアグラには、有効成分が規定の摂取量を何倍も上回る量が配合されていたり、異物混入や全く異なる医薬品成分が含まれていた事例があります。

さらには、覚醒剤の成分まで入っていた事もあるのです。

そして偽造バイアグラの製造環境は劣悪で、アパートの一室などで瓶詰めされていたり、中にはプリンターインクを混ぜる事で正規品に似せている物もありました。

偽造バイアグラを服用したことによる重篤な健康被害や死亡事例は多く報告されています

本来バイアグラは医師からの処方が必要な「薬」なので、インターネットの通信販売などでは絶対に買わないことをお勧めします。[参照]

 

このように、インターネット上の特に海外製の商品における品質や安全性は保証できないものが非常に多いです。

当然サプリメントも例外ではなく虚偽の表記がされてあったり、誇大な効能や効果、安全性などを標ぼうして販売されている場合があるのです。[参照]

まとめ

以上のように、海外製の方が効果があるという根拠はなく、むしろ効果的でなかったり危険性が高いものが多く流通しているのが現状です。

もちろん海外にも有効的なサプリメントは多数ありますが、日本で中身の成分がほぼ同じサプリが販売されている場合もかなりあります。

製造国によって効果が異なるなどありえない事なので、海外製のサプリメントが優れているというわけではないのです。

日本の薬機法順守、安心できる製造環境、透明性の高い製品管理、第三者の評価などの面からも日本製を選ぶ方が間違いないと思います